想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
その端整なシルエットには、見覚えがあった。
まさか、とわたしは息をのむ。
佐倉さん!?
間違いない、デザイン部の佐倉圭介さんだ。
わたしの脳内は、とたんにまた飽和状態に陥ってしまった。
なんで、どうして、あの佐倉さんが!? わたし泣いてるのを思いっきり見られた…
それでなんで、二人でタクシーに乗ってて、これからどこへ———?
あまりにも突拍子もない状況に置かれると、ただもう沈黙するしかなくなってしまって。
結局タクシーが止まるまで、わたしは口を開けずじまいだった。
大通りを入ったところでタクシーを降りると、佐倉さんはまた、当然のようにわたしの手をとって歩き始めた。
「佐倉さん…?」
呼びかけに、佐倉さんが足を止めてわたしにじっと視線をそそぐ。
街路灯の弱々しいあかりでも、彼のスーツの生地が艶を放っているのが分かる。合わせたスタンドカラーの白いシャツはノータイで、そこだけが一般のサラリーマンとの明確な差だった。
まさか、とわたしは息をのむ。
佐倉さん!?
間違いない、デザイン部の佐倉圭介さんだ。
わたしの脳内は、とたんにまた飽和状態に陥ってしまった。
なんで、どうして、あの佐倉さんが!? わたし泣いてるのを思いっきり見られた…
それでなんで、二人でタクシーに乗ってて、これからどこへ———?
あまりにも突拍子もない状況に置かれると、ただもう沈黙するしかなくなってしまって。
結局タクシーが止まるまで、わたしは口を開けずじまいだった。
大通りを入ったところでタクシーを降りると、佐倉さんはまた、当然のようにわたしの手をとって歩き始めた。
「佐倉さん…?」
呼びかけに、佐倉さんが足を止めてわたしにじっと視線をそそぐ。
街路灯の弱々しいあかりでも、彼のスーツの生地が艶を放っているのが分かる。合わせたスタンドカラーの白いシャツはノータイで、そこだけが一般のサラリーマンとの明確な差だった。