想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
くちびるを擦り合う。交ざる吐息には、かすかにアルコールの香りがした。

動きが力強さを増し、身体は刺激のうねりに翻弄される。

意思とは関係なくジェットコースターに乗せられているようだ。
止めてほしいとも、続けてほしいとも願ってしまう。
そのもどかしさから解き放たれたくて、喉をそらせいやいやと首を左右に振った。

ああもう、無理———

ひときわ大きな波が襲ってくる予感に、無意識に相手にしがみついてしまう。
来る! 本能がそれを知っていた。

「あぁっ!」
目の奥で白い閃光が弾け、身体からぐったりと力が抜ける。

そしてそのまま、ふたたび無意識の世界に吸い込まれていった———
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