想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory

そのあとのことは、現実を受け止めたくなかったのか、記憶がところどころあやふやだ。

どうにか服を身につけたところで、「シャワーを浴びたほうがいい」と佐倉さんに声をかけられたのだと思う。

放心状態のまま、バスルームでシャワーを浴びた。
「どうしよう、どうしよう…」と、その言葉だけがぐるぐると、頭を回っている。

バスルームを出ると。佐倉さんは、リビングでコーヒーを淹れてくれていた。
「落ち着いた？　すこし話をしよう」というようなことを言ってくれたけど、わたしは話ができる状態じゃなかった。

昨夜わたしは、バーで思いがけず飲みすぎてしまった。

店を出るときにはもう足取りがあやしかったそうで。タクシーに乗るなり、行き先も告げずに眠り込んでしまって。
なりゆきで佐倉さんは、わたしを自分の家に連れて帰ることになった。