想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
「栗原さん、たしかデザイン部志望だったよね。栗原さん頑張ってくれてるし、うちとしても手放したくないけど、指名なら断るわけにもいかないし…」

社内の力関係でいえば、どちらかというと営業部よりデザイン部のほうが上だ。

「なんにしても栗原さん、チャンスだと思うよ」
部長が励ますように、言葉を重ねる。

チャンス。その言葉が、(いかり)のように胸の深いところに降りてゆく。
待っているのが嵐なのか、港なのか分からないけど、その船に乗ってみようとわたしは思った。

仕事の進退を決めるのは、それからでも遅くない。
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