想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
「栗原さん、そろそろお昼いきません」

直斗さんに声をかけられて、「はい」と腰を上げる。
佐倉さんは森山さんと製作スペースにこもったきりだし、今日もたぶんデスクでおにぎりだろう。
ひとりで思考に没頭できる時間が佐倉さんには必要なんだと、それも分かってきたことの一つだった。

もう一人のPRの菊池さんは、現場を回っていることが多いので、しぜん直斗さんとお昼を食べることが多くなる。
今日は、最近できたというハワイ料理のお店に入った。直斗さんはロコモコを、わたしはマグロとアボガドのポキを注文した。

「栗原さん、覚えが早いから助かります」

「早く直斗さんに頼らずにできるようになりたいです」

「このチームにいるからには、すべてにおいて最高の仕事を目指してほしいです」
視線に挑むような色があった。

「最高の、仕事」
なんとはなしに繰り返す。

「そう。コピーをとるなら最高のコピーをとってほしいんです。佐倉さんの仕事に関わるからには」

最高のコピーをとる。一瞬、返す言葉につまった。
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