想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
このまま酔いのせいにして連れ去ってくれたら———拒めない、拒みたくない。
でもそれじゃ、同じことの繰り返しだから。彼の温もりを覚えているくちびるを、きゅっと噛む。
「美織のことが大切だから」
初めて彼の声が発した、わたしの名。大切という、その言葉。まっすぐにわたしを見つめる、そのまなざし。
左胸の奥が、うるさいくらいに存在を主張している。
夜に包まれて、この世界にふたりきりでいるような。
佐倉さんのことが好きだ———この気持ちは酔いのせいじゃない。
でもそれじゃ、同じことの繰り返しだから。彼の温もりを覚えているくちびるを、きゅっと噛む。
「美織のことが大切だから」
初めて彼の声が発した、わたしの名。大切という、その言葉。まっすぐにわたしを見つめる、そのまなざし。
左胸の奥が、うるさいくらいに存在を主張している。
夜に包まれて、この世界にふたりきりでいるような。
佐倉さんのことが好きだ———この気持ちは酔いのせいじゃない。