想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
足を引きずるように、会社へ向かう。
自転車のタイヤがパンクしてしまったときのことを思い出した。
こいでもこいでも、つぶれたタイヤはずるずる滑ってなかなか前に進まない。

メンタルぺしゃんこだな…あのときのタイヤみたい。

それでも会社のビルにたどりつき、エレベーターで所属している営業部のフロアに上がる。
IDカードをかざして、フロアに入室する。

この時間でも、フロアのところどころに明かりがつき、人の気配がある。
自分のデスクからスマホを回収して廊下に出たところで、ふとトイレに行ったほうがいいかなと頭をよぎった。

さっきのお店では行かなかった。家まで我慢できるだろうけど、やっぱり行っておこうとトイレに足を向ける。
気力がわかなくて、座りたかったのかもしれない。
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