想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
「なに料理のお店なんですか?」

「和・中・イタリアンでそれぞれシェフを揃えてるんです。だいたいの好みに応えられるから、接待には重宝しました」

「直斗さん、広告代理店にお勤めだったんですもんね」

「おかげで飲食店には詳しくなりましたよ」

かるい食事にしたかったので、和食のお品書きから何品か選ぶことにした。直斗さんが絶品だとすすめる鮎の炊き込みご飯も注文する。お酒は赤ワインのグラスを頼んだ。

とりあえず乾杯すると、「栗原さん、恋してるって顔してますね」と直斗さん。

のっけから投げられた言葉にかたまってしまう。

「べつに隠さなくてもいいじゃないですか」

「そう…ですけど」探られたくはないから。
直斗さん、と目の前に座る彼を見つめる。わたしはわたしで聞いてみたいことがあった。

「なんでしょう」

「直斗さんはその、仕事ができてルックスも良くて、おしゃべりも上手で、女性にもてると思うんですけど、どうして佐倉さんとわたしのことにそんなに興味を———?」
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