想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
食事を終えて出た夜の道は、しんと静まりかえっていた。
栗原さん、と直斗さんが歩道を背にたたずんで口をひらく。「いま、あなたの手を取りたくないといったら嘘になる。俺も男だから」
「直斗さん、わたしにそんな気持ちはまったくないです」
「そう答えると思った」
通りすがる車のヘッドライトが一瞬彼の横顔を照らし、やがてまた薄闇につつまれる。どこか寂しそうな表情だった。
「だからあなたに惹かれる」
それだけ言って大通りに足を向けて歩き始める。
どうしてそんなことを言うんですか。
半歩後を歩きながら、その背にむかって訊きたいのに、なにも言えないでいる。
栗原さん、と直斗さんが歩道を背にたたずんで口をひらく。「いま、あなたの手を取りたくないといったら嘘になる。俺も男だから」
「直斗さん、わたしにそんな気持ちはまったくないです」
「そう答えると思った」
通りすがる車のヘッドライトが一瞬彼の横顔を照らし、やがてまた薄闇につつまれる。どこか寂しそうな表情だった。
「だからあなたに惹かれる」
それだけ言って大通りに足を向けて歩き始める。
どうしてそんなことを言うんですか。
半歩後を歩きながら、その背にむかって訊きたいのに、なにも言えないでいる。