想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
自分の部屋のソファで膝をかかえて、手のひらに乗せたものを見つめている。
佐倉さんに渡された彼の自宅の鍵だ。
お守りのように握りしめていたいところだけど、カードキーなのでうまくいかない。エントランスのオートロックも、玄関ドアもこれをかざして開錠する仕組みだ。
きゅっと手のひらを丸めると、角がはみ出してしまう。まさにわたしの “手に余る” 状態だ。自嘲にため息がこぼれる。
恋人のマンションの合鍵を渡されたのに、複雑な気持ちになってしまう。そんな自分の心のうちをのぞきこむ。
どうしてもわたしには佐倉さんへの引け目がある。
彼は世界に通用する建築家でデザイナー。たいしてわたしは、今のところ実績のないアシスタントだ。
彼のそばにいてわたしになにができるのか、という問いの答えを見つけられずにいる。
実務的な貢献なら、直斗さんはじめ有能なスタッフが揃っている。
そんなわたしの迷いを見透かすように、横から揺さぶりをかけてくる直斗さんの存在。
ひとりでいると、そんなことをぐるぐると考えてしまっている。
佐倉さんに渡された彼の自宅の鍵だ。
お守りのように握りしめていたいところだけど、カードキーなのでうまくいかない。エントランスのオートロックも、玄関ドアもこれをかざして開錠する仕組みだ。
きゅっと手のひらを丸めると、角がはみ出してしまう。まさにわたしの “手に余る” 状態だ。自嘲にため息がこぼれる。
恋人のマンションの合鍵を渡されたのに、複雑な気持ちになってしまう。そんな自分の心のうちをのぞきこむ。
どうしてもわたしには佐倉さんへの引け目がある。
彼は世界に通用する建築家でデザイナー。たいしてわたしは、今のところ実績のないアシスタントだ。
彼のそばにいてわたしになにができるのか、という問いの答えを見つけられずにいる。
実務的な貢献なら、直斗さんはじめ有能なスタッフが揃っている。
そんなわたしの迷いを見透かすように、横から揺さぶりをかけてくる直斗さんの存在。
ひとりでいると、そんなことをぐるぐると考えてしまっている。