想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory

佐倉さんがどんな選択をしたとしても、わたしたちは従うだけ。
そう直斗さんに言おうとして横に視線を向けると、彼は考えこんでいるような表情で画面を見つめながらぼんやりとマウスをいじっている。
どこか愁いをおびたような様子に、不覚にも気になってしまう。

プリンターに行く途中にちらりと直斗さんのパソコンを見ると、どうやら海外のサイトのようだ。“Fellowship（研究奨学金）” という単語が視界にひっかかる。なにを見てるんだろう。

ええとそれより…わたしは佐倉さんにどう接すればいいんだろう。明日彼のうちに行く約束をしてるのに。

もやもやと色々なことが頭をめぐってしまう。その日はなかなか仕事に集中することができなかった。