想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
「あっ…」
薄闇のなか、彼の身体のしたで声をあげる。

「ごめん、強すぎた?」

「ううん、平気」息を乱しながらそう返す。
体を重ねたのはまだ数えるほどだ。それでもいつもと違う気がする。
それは苦痛をともなうものじゃない。彼の中になにかわだかまるものがあるなら、わたしにそのほとばしりをぶつけて欲しいから。

自分から彼の下肢に足をからめる。もっと深く抱いてほしい。

「美織」
「圭介さんっ…」

互いの名を呼びながら、夜は色濃さを増してゆく。
< 91 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop