切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「……それって私がマロンに似てるからですか?」
「うん。マロンが人間になったみたい。くりっとした目なんかそっくり」
改めて晴人さんに言われると凹んでしまう。
「……そうなんですね」
なんか、もう玲司さんの側にいられるならペットでもいいや。
暗くなる私を見て彼が慌てて励ました。
「まあ、それは相手を引きつけるきっかけであって、そこから交際に繋げていけばいいんだからさ。頑張りなよ」
「何をどう頑張れば?」
色気もないし、八歳も年上だし、子供扱いなんですよ〜。
すがるような目で晴人さんを見れば、彼はポンポンと私の頭を叩いた。
「やっぱ頑張んなくていいや。いつもの美月ちゃんでいいよ」
それは頑張っても無駄ということですね。
「……そうですか」
呟くように相槌を打って、気落ちする私。
この場の雰囲気を変えようとしたのか、晴人さんは話題を変えた。
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