切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
それから、閉店時間になって、涼華さんや晴人君と別れると、玲司さんと一緒に彼の車でマンションに帰る。
玲司さんの車は高級ドイツ車のセダンで色は白。
シートは革張りで座り心地もいい。
「晴人のスポーツカーとこの車と、どっちが好き?」
「うーん、晴人さんのスポーツカーもカッコいいですけど、落ち着くのは玲司さんの車かなあ」
「そっか。じゃあ、今度どっかドライブ行こうか?」
思わぬ玲司さんの誘いに舞い上がる私。
「え? いいんですかあ?」
それって世間一般でいうデートじゃあ? なんて嬉しくなったが、ハッと我に返った。
落ち着け、私。
深い意味はない。変な期待しないの。
「どこ行きたい?」
玲司さんに希望を聞かれ、マズイって思った。
「……えーと、咄嗟に浮かばなくって……考えときます」
こう答えれば、玲司さんもそのうち忘れるだろう。
ただでさえ私を同居させてるんだもん。
< 104 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop