切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
シートベルトを外そうとしたら、「ねえ、美月ちゃん」と玲司さんに声をかけられ目の前に彼の顔が……。
「れ、玲司さん、どうかしました?」
きゃあー、顔が近いです!?
心臓はバクバク。
凄く狼狽える私を見て彼はクスッと笑う。
「さっき涼華さんがお母さんのこと言った時、挙動不審だったんだけど、どうしてかな?」
「な、何のことですか?」
突然彼に追及され、言葉が突っかかる。
「美月、本当のこと言わないと、このままキスしちゃうよ」
玲司さんの双眸が妖しい光を放つ。
彼の目に捕らわれ、ゴクッとツバを飲み込む私。
『美月』?
呼び方が変わってますよ、玲司さん。
それに、雰囲気がいつもと違う……。
天使が悪魔に豹変したーーー。
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