切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
7、楽しい同居生活
「子猫ちゃんとの同居生活はどう?」
カウンター席でコーヒーを口にしながら涼華さんは俺を弄る。
真田物産での会議があった日の夕方、彼女がふらっとやって来た。
「まだ始めたばかりですが上手くやってますよ」
他の客のカプチーノを作りながらにこやかに答えると、彼女はジーッと俺を見た。
「もっと困ってるかと思ったら、楽しそうね。なんだかムカつく」
「酷い言い様ですね。涼華さんに断られたから、うちで預かることになったのをお忘れなく。晴人、これ持ってって」
フッと笑みを浮かべて彼女にそう返すと、晴人を呼んだ。
「へーい」
俺が入れたカプチーノをトレーに乗せて彼は運ぶ。
晴人が離れると、涼華さんは話を続けた。
「同居してるなら、美月ちゃんにそろそろあんたが学費とか援助してたって言えば?ちょっと調べれば、自分を支援してくれたNPO法人なんて存在しないってわかるわよ」
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