切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
確かにいつか美月ちゃんに知られてしまうかもしれない。
だが、自分から言うつもりはなかった。
「告白して彼女に感謝してもらうんですか? 下らない。彼女が笑顔でいてくれればそれでいいですよ。俺に変な気を使ってもらいたくない」
「どこからかバレても知らないわよ」
「その時は涼華さんが援助したって誤魔化しますよ」
フッと笑えば、涼華さんは呆れ顔で俺を見た。
「……あんたね。美月ちゃんはあんたがエセ紳士って知ってるのかしら?」
意地悪く彼女に聞かれたが、澄まし顔で返した。
「いえ。知らないと思いますよ」
「一緒に住むなら、そろそろ素で彼女に接したら? 家の中でも自分を演じるのは辛いでしょう?」
じっと俺を見据え意見する涼華さんに、ニコッと微笑む。
「考えておきます」
「悪魔な顔しちゃって。ホント、あんたはこんなカフェでオーナーなんてやってる器じゃないわよ。会社継げば?」
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