切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
こいつは俺が継ぐ気になったら、会社に入って真っ当に仕事をすると変な条件を出しているのだ。
「ふたりとも勝手に徒党を組まないでくれるかな。うちの出入り禁止にしますよ。あっ、もう五時半か。晴人、美月ちゃん迎えに行って」
思い出したように言って話題を変えれば、晴人は少し悔しそうに俺を見る。
「話逸したな。まあ、そのうち『俺が継ぐ』って言わせてみせるよ」
「そう言って二年は経ったんじゃないか? 無駄だ。早く行け。美月ちゃんが矢島に会ったら大変だ」
彼を急かせば、今度は素直に言うことをきいた。
「了解」
晴人が店を出て行くと、涼華さんは片肘をついて俺を見た。
「あんたが迎えには行かないの?」
「俺が行って斗真や親父に見つかると厄介だからね」
そう言い訳すれば、彼女はチクリと言う。
「でも、隠し事っていうのはそのうちバレるものよ」
涼華さんの言うことは最もだったが、「俺に報告義務はないよ」と一蹴した。
「ふたりとも勝手に徒党を組まないでくれるかな。うちの出入り禁止にしますよ。あっ、もう五時半か。晴人、美月ちゃん迎えに行って」
思い出したように言って話題を変えれば、晴人は少し悔しそうに俺を見る。
「話逸したな。まあ、そのうち『俺が継ぐ』って言わせてみせるよ」
「そう言って二年は経ったんじゃないか? 無駄だ。早く行け。美月ちゃんが矢島に会ったら大変だ」
彼を急かせば、今度は素直に言うことをきいた。
「了解」
晴人が店を出て行くと、涼華さんは片肘をついて俺を見た。
「あんたが迎えには行かないの?」
「俺が行って斗真や親父に見つかると厄介だからね」
そう言い訳すれば、彼女はチクリと言う。
「でも、隠し事っていうのはそのうちバレるものよ」
涼華さんの言うことは最もだったが、「俺に報告義務はないよ」と一蹴した。