切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
もっと自分を知って欲しいと感じている?
自問自答している間にマンションに着き、駐車場に車を停める。
シートベルトを外し、彼女に向き合って顔を寄せた。
「ねえ、美月ちゃん」
「れ、玲司さん、どうかしました?」
俺が身を寄せたことに驚いたのか、動揺する彼女。
俺の中の悪魔が顔を出す。
無性に彼女に意地悪をしたくなった。
「さっき涼華さんがお母さんのこと言った時、挙動不審だったんだけど、どうしてかな?」
美月ちゃんの目を捕らえて追及すると、彼女の瞳は震えた。
「な、何のことですか?」
しらを切ろうとする彼女の慌てようが面白い。
お母さんから何かしら連絡があったんだろ?
嘘をつく子にはお仕置きをしないとな。
「美月、本当のこと言わないと、このままキスしちゃうよ」
ニヤリとすれば、彼女は瞬きするのも忘れたのかと思うくらいしばらく目を見張った。
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