切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
美月ちゃんは俺の豹変ぶりに驚き、ショックで何も言えずにいる。
「キスして欲しいの?」
美月の顎を掴んで問いかければ、彼女はハッとした顔になった。
「は、母から今日会社に電話がありました!」
ふ~ん、やっぱりね。
「そういうことはちゃんと言わないとねえ、美月」
悪魔な顔で告げて、彼女の唇を奪う。
美月は俺を見つめたまま。
微かにコーヒーの味がする。
少しからかって終わりにしようと思っていたが、止められなくて……。
彼女の頭をガシッと掴んでキスを深めた。
口の中が……熱い。
「うう……ん」
美月がくぐもった声を上げ、俺は"あっ"と理性を取り戻す。
……いけない。
ここでやめないと止められなくなりそうだ。
彼女から離れて、その頭をポンと叩いた。
「これからはなんでも話すように」
衝動的なった自分を誤魔化すようにそんな注意をすれば、美月は池の鯉のように口をパクパクさせた。
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