切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
美月とのキスを振り返っていたら、バスルームから彼女が出て来た。
髪はまだビチョビチョに濡れていてギョッとする。
ホント、動揺しまくりだな。
「こら、髪、ちゃんと乾かしてないだろ?」
そう注意すると、彼女の手を掴んでバスルームに入り、ドライヤーを手に取った。
「あっ、すみません。自分でちゃんとやります」
美月ちゃんがドライヤーを奪おうとしたが、俺は首を横に振った。
「駄目。今日はちゃんとできないよ、きっと」
洗面台の鏡に映る美月を見てニヤリとすれば、彼女は赤面してモゴモゴと口籠った。
「だって……玲司さんが……あんなこと」
「あんなことって何?」
ついつい意地悪く聞いてしまう。
「それは……その……だから……」
しどろもどろになる彼女。
そんな彼女の反応がかわいいし、純粋で素直だから守ってあげないとと思える。
「あのキス。ふたりだけの秘密だな」
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