切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
それに、一人称が『僕』から『俺』に変わってしまった。
同居して十日が経ったけど、キスされたのはあの一回だけ。
玲司さんって日本人だよね?
いや……外国人でも挨拶であんなキスはしないと思う。
いまだに玲司さんがどうしてキスしたのかわからない。
でも、スキンシップは増えている。
だって、今の私は彼の抱き枕。
毎晩玲司さんにギュッと抱き締められて眠り、朝起きてもしっかり彼にホールドされている。
最初は一緒に寝るなんて無理だと思ったのだけど、慣れとは怖いもので今ではそれが当たり前になっていて……。
他にも私の肩に玲司さんが顎を乗せて来たり、突然バッグハグして私を驚かせたりといろいろある。
「玲司さん……どうしてそんなにタフなんですか?車だって……運転したのに」
息を乱しながら質問すれば、彼は少し呆れ顔で笑って私の手を握った。
「美月が体力なさ過ぎなんだよ。ほら、行くよ」
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