切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
……手、繋がれてる。
玲司さんの抱き枕にはなったけど、手を握られたのは初めて。
落ち着くのよ、美月。
小学校の時、男の子と手を繋いだよね。
胸はドキドキ。
玲司さんに手を引かれて石段を登っていく。
緊張で疲れどころではない。
私、絶対手汗かいてるよ〜。
「美月、大学の時、なにか体育会系のサークルとか入らなかった……って、うちでバイトしてたか」
玲司さんが私の顔を見てハハッと笑う。
彼が言うように、大学の時、週に二日ほどノワールでバイトをしていた。
ウェイターの仕事だったけど、たまに玲司さんがラテアートを教えてくれて楽しかった。
サークルに興味がなかったわけじゃないけど……。
「サークルの見学には行ったんですけど、そのあと強引に居酒屋に連れて行かれて、ちょっと私には合わないなって思いました」
お酒を飲むのを強要されて酷い目に遭ったのだ。
< 126 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop