切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
『心外だなあ。でも、自分でもわかってるでしょう?もう手放せなくなってますよ。きっと姉貴が今だったら預かれるって言っても、玲司さんは何か理由をつけて断るに決まってる』
勝手に決めつけないで欲しい。
『状況によるな。美月が行きたいって言えば、行かせるさ』
溜め息交じりに返せば、晴人は含み笑いをした。
『玲司さんは素直じゃないなあ。まあ、一緒に旅行したら、鈍感な玲司さんでも気づくかな。美月ちゃんは、もう高校生の女の子じゃない、女性ですよ。魅力的なね』
女性?
晴人の言葉に思考が停止した。
美月を異性として意識したことはなかったのだ。
だが、彼女と温泉に入った時、その白くみずみずしい肌を見て正直ドキッとした。
そこで初めて晴人の言ったことを理解。
ずっと美月にマロンの姿を重ねていたけど、彼女はマロンではない。
美月に目を向ければ、俺に完全に身を預けていて……。
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