切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「美月、美月? 寝てる?」
声をかけると、彼女はフフッと笑みを零す。
「玲司さん……あったかい」
目を閉じたまま彼女は呟く。
……これはすぐに寝るな。
酒を勧めた俺も悪いが、こんな無防備でいいのだろうか?
俺のいないところでこんな風に眠ってしまったら……と考えると、心穏やかではいられない。
そう言えば、美月、会社の歓迎会は断っていたっけ。
行かなくて正解だったかもしれない。
酔うとすぐ寝るなんて本人も知らないだろうし、起きたらちゃんと注意しないと。
「美月、部屋に戻ろう」
半分眠っている彼女の肩をポンと叩く。
「……うん」
目を擦りながら返事をして立ち上がろうとする彼女の腰に手を回す。
「しっかり」
ふらつく美月の身体を支えながら歩いて部屋に戻る。
「玲司さん……眠い」
奥に敷いてあった布団まで連れて行けば、彼女は布団の上にゴロンと横になった。
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