切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「……んん」
もっと鳴かせてみたい。
美月の手を掴み、その指一本ゆっくりとキスをする。
身悶えする彼女。
次に胸に深く口付ければ、耐えきれなくなったのか美月が叫ぶように言った。
「……玲司さん、起きてください! 私……マロンじゃないです!」
まだ、俺が悪さしていると気づいていないところが彼女らしい。
いくら可愛いからって猫を甘噛みはしないのにな。
「いい子にしてて、マロン」
優しく言って美月の胸元に俺がつけたキスマークをペロリと舐めると、彼女は手で口を押さえて声を出すのを我慢する。
いつまでそうしていられるだろうか?
今度は唇にキスをしようとしたら、誰かがコンコンとドアをノックして……。
「おはようございます。朝食をお持ちしました」
……そう言えば、七時に朝食を頼んでいたっけ。
ここで終わらせるのは残念だな。
美月を解放して布団を抜け出すと、彼女は放心していた。
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