切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
中学の頃は五百円玉だった。
愛人が出来て母の金銭感覚はおかしくなったのだろう。
お金は必要最低限のものだけ買って、残りは貯金。
今の生活がいつまで続くかわからない。
でも、ノワールには通っていた。
この場所は私にとってのオアシスだから。
会計を済ませると、いつものように玲司さんがドアのところまで見送ってくれた。
『気をつけて帰ってね』
『はい。ご馳走さまでした』
明るく笑いながら手を振って、ノワールから一キロ程離れた自宅マンションに帰る。
ドアを開ければ、母のパンプスが何足か転がっていた。だが、物音はしない。
靴を脱いで玄関をあがると、バッグを持ったまま奥にあるリビングに行く。
ソファには母が脱ぎ散らかした服が散乱し、テーブルの上にはビールの空き缶がいくつも置かれていた。
ハーッと溜め息をつきながらバッグをカーペットの上に置き、まず母の服を拾い集めて、バスルームの洗濯カゴに入れる。
愛人が出来て母の金銭感覚はおかしくなったのだろう。
お金は必要最低限のものだけ買って、残りは貯金。
今の生活がいつまで続くかわからない。
でも、ノワールには通っていた。
この場所は私にとってのオアシスだから。
会計を済ませると、いつものように玲司さんがドアのところまで見送ってくれた。
『気をつけて帰ってね』
『はい。ご馳走さまでした』
明るく笑いながら手を振って、ノワールから一キロ程離れた自宅マンションに帰る。
ドアを開ければ、母のパンプスが何足か転がっていた。だが、物音はしない。
靴を脱いで玄関をあがると、バッグを持ったまま奥にあるリビングに行く。
ソファには母が脱ぎ散らかした服が散乱し、テーブルの上にはビールの空き缶がいくつも置かれていた。
ハーッと溜め息をつきながらバッグをカーペットの上に置き、まず母の服を拾い集めて、バスルームの洗濯カゴに入れる。