切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
矢島にこのまま会わなければ、そのうち私は玲司さんの家を出なきゃいけない。
そんなことを考えていたら、急に渡辺君の声がして、背後からグイッと腕を引っ張られた。
「……い、おい、松本!」
「え?」
ポカンとして立ち止まる私に、彼が呆れ顔で言う。
「お前、あと二歩進めば壁に激突するぞ」
「……あっ」
確かに目の前は真っ白な壁。
「朝からボーッとしてんなよ。壁にぶつかってそれ以上鼻が低くなったらどうするんだ?」
「鼻が低すぎてぶつからないから大丈夫。代わりにオデコ打っちゃうかもね」
真顔で答えたら、渡辺君はそんな私を見て深い溜め息をついた。
「お前、そこは鼻低くないって怒れよ。お前といると、ホント調子狂う」
「ごめん。人と揉めたくないから強く言うのって苦手で」
冗談でも人に怒れない。
でも……最近の私は玲司さんに怒ってばっかりだなあ。
それって彼が意図的にそうさせているのかな?
そんなことを考えていたら、急に渡辺君の声がして、背後からグイッと腕を引っ張られた。
「……い、おい、松本!」
「え?」
ポカンとして立ち止まる私に、彼が呆れ顔で言う。
「お前、あと二歩進めば壁に激突するぞ」
「……あっ」
確かに目の前は真っ白な壁。
「朝からボーッとしてんなよ。壁にぶつかってそれ以上鼻が低くなったらどうするんだ?」
「鼻が低すぎてぶつからないから大丈夫。代わりにオデコ打っちゃうかもね」
真顔で答えたら、渡辺君はそんな私を見て深い溜め息をついた。
「お前、そこは鼻低くないって怒れよ。お前といると、ホント調子狂う」
「ごめん。人と揉めたくないから強く言うのって苦手で」
冗談でも人に怒れない。
でも……最近の私は玲司さんに怒ってばっかりだなあ。
それって彼が意図的にそうさせているのかな?