切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
次にリビングに戻ってテーブルの空き缶を片付けた。
『朝は空き缶はなかったのにな』
ここ最近お酒を飲む量が増えているような気がする。
夜少し飲むくらいならいいけど、毎日日中からビールを飲むなんて……。
いくら言っても母は私の言うことなんか聞かない。
もし今母の愛人に愛想をつかされたら、私達親子はどうなってしまうのだろう。
中卒ではちゃんとした職にも就けない。
食事を作る気にもなれず、ソファにゴロンと横になり静かに目を閉じる。
精神的に疲れていたのか、そのままスーッと眠ってしまったらしい。
なんだか身体が重い。
なにかが乗っかっているような……?
違和感を覚えて目を開けたら身体がガッシリした大男が私に覆いかぶさっていて……。
赤髪……耳にピアス。
や、矢島!
母の愛人の矢島修一が私のブラウスのボタンに手をかけている。
『嫌!』
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