切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
居候だから、玲司さんの邪魔にならないようにしようって最初は思ってたのに、今は本当の家族みたいに彼に注意したり、意見したりしている。
ボクサーパンツ一枚で家の中歩き回らないで……とか、お風呂で寝ないで……とか一度しか着ていないシャツや下着を捨てちゃ駄目とか……。
玲司さんと一緒に暮らしていると、ギョッとするようなことがたくさんある。
遠慮していたら一緒に生活できない。
「ああ。お前ってすぐ人に合わせるよな」
私の言葉に渡辺君は納得顔で頷き、ジーッと私を見る。
なんか積極性を持てとかお説教されそう。
「渡辺君はゴールデンウィーク、どこか行った?」
なるべく自然な感じで話題を変えれば、彼はお土産の紙袋を掲げて私に見せる。
「俺は友達と京都に行ってきた」
「うわ~、京都行ったんだ。風情があっていいね。でも、激混みだったでしょう?」
京都は修学旅行で一度行ったことがある。
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