切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
母は私を見て目を光らせる。
初任給は出たけど、うちの会社は十五日締めの二十五日払いで四月分は半月分しかもらえない。
「まだ働き始めたばっかりで余裕なんてないよ」
こっちの事情を知ろうとしない母に少し苛立ちを感じた。
「あんた、お金貯めるの好きだったじゃないの。私があんたにあげたお金、使わず取ってあるんでしょう?」
確かに取ってある。
だが、今母に渡したら、一週間で使い切ってしまうに違いない。
「ないよ。大学行くのに使ったの」
母のためにそう答えたが、母はフッと笑った。
「嘘をついてもわかるよ。あんたの母さんだからね。もうお財布に千円もないのよ。助けて、美月」
助けてと言われると、拒絶出来ない。
どうすればいい?
こういう時、血の繋がりというのが厄介なものに思える。
母にはもう私しか家族がいない。
それに、お金を渡すまで、母はしつこく金の無心に来るだろう。
初任給は出たけど、うちの会社は十五日締めの二十五日払いで四月分は半月分しかもらえない。
「まだ働き始めたばっかりで余裕なんてないよ」
こっちの事情を知ろうとしない母に少し苛立ちを感じた。
「あんた、お金貯めるの好きだったじゃないの。私があんたにあげたお金、使わず取ってあるんでしょう?」
確かに取ってある。
だが、今母に渡したら、一週間で使い切ってしまうに違いない。
「ないよ。大学行くのに使ったの」
母のためにそう答えたが、母はフッと笑った。
「嘘をついてもわかるよ。あんたの母さんだからね。もうお財布に千円もないのよ。助けて、美月」
助けてと言われると、拒絶出来ない。
どうすればいい?
こういう時、血の繋がりというのが厄介なものに思える。
母にはもう私しか家族がいない。
それに、お金を渡すまで、母はしつこく金の無心に来るだろう。