切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
小さなグラスに一杯のお酒で酔って寝てしまった美月。
飲んだら、俺に連絡も出来ないんじゃあ?
「玲司さんてさあ、ドライかと思えば、大事なものは必死で守るタイプだよね。美月ちゃんといるとよくわかる。今、滅茶苦茶焦ってるよね?」
じっと俺を見据えてニヤリとする晴人。
俺を弄って楽しみたいのだろう。
「煩い。矢島のこともあるから心配なんだよ。それに、彼女は酒弱いんだ」
俺の説明にこいつは納得顔で頷いた。
「ああ。なるほどね。まあ、二時間待って美月ちゃんから連絡なければ、迎えに行けば?」
「お前に言われなくてもそうするさ」
無表情で答えるが、まだ晴人は何か言いたげな顔で俺を見る。
「何だ?」
その態度が気に食わなくて顔をしかめれば、こいつはゴシップ好きな女の子のように好奇心剝き出しで聞いてくる。
「ずっと聞きたくてうずうずしてたんだけど、ゴールデンウィークの旅行はどうだったの?」
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