切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「兄さん?」
面倒な奴に会ってしまったな。
出来ればそのまま気づかずに通り過ぎて欲しかった。
早く美月を連れて帰りたいのにな。
「なぜここに?……その女性は?」
斗真は俺達の方に近寄って来て、美月に目を向けた。
聞かれると思った。
「彼女が酔い潰れて……な。斗真、タクシー呼んで」
多くは語らず、深く追及されないよう話を逸らす。
「え?ああ」
俺に言われるままスマホをズボンのポケットから取り出し、タクシーを呼ぶ斗真。
「あと五分くらいで着くと思う」
スマホをポケットにしまう弟に、ニコッと笑って礼を言う。
「助かる。お前は外で打合せでもあったのか?」
美月のことに触れられないよう斗真にそう質問すれば、彼はコクッと頷いた。
「ああ。近くのホテルのラウンジで三ノ宮重工の専務と会ってた」
「三ノ宮重工か」
そう言えば、客船事業に乗り出すって話だったな。
もっと詳細を聞きたいが、まだ美月の同期の男がいて俺達のやり取りを見ている。
面倒な奴に会ってしまったな。
出来ればそのまま気づかずに通り過ぎて欲しかった。
早く美月を連れて帰りたいのにな。
「なぜここに?……その女性は?」
斗真は俺達の方に近寄って来て、美月に目を向けた。
聞かれると思った。
「彼女が酔い潰れて……な。斗真、タクシー呼んで」
多くは語らず、深く追及されないよう話を逸らす。
「え?ああ」
俺に言われるままスマホをズボンのポケットから取り出し、タクシーを呼ぶ斗真。
「あと五分くらいで着くと思う」
スマホをポケットにしまう弟に、ニコッと笑って礼を言う。
「助かる。お前は外で打合せでもあったのか?」
美月のことに触れられないよう斗真にそう質問すれば、彼はコクッと頷いた。
「ああ。近くのホテルのラウンジで三ノ宮重工の専務と会ってた」
「三ノ宮重工か」
そう言えば、客船事業に乗り出すって話だったな。
もっと詳細を聞きたいが、まだ美月の同期の男がいて俺達のやり取りを見ている。