切愛願望～極上御曹司の庇護欲からは逃げられない～

「……玲司さん……お酒……飲んじゃって……ごめん……ね」
「美月に怒ってるんじゃない」
ポンポンと美月の頭を軽く叩いて安心させると、彼女は「うん」と小さく頷いた。
「歩けるか？」
美月に手を貸して、彼女を立たせる。
「うん。……歩く」
ふらつく美月を支えて寝室のベッドまで連れていく。
ベッドに入る彼女が心配でしばらくベッドの端に腰かけてついていることにした。
「おやすみ」
美月の額に手を当てそう告げれば、彼女は安心した様子で目を閉じる。
しばらくすると静かな寝息が聞こえてきた。
彼女の寝顔を見てホッとすると、スマホを出して晴人にラインする。
【美月、やっぱり泥酔してて、さっき帰宅した。今夜は彼女についているから、店の戸締まり頼む】
時刻は午後九時五分。
店も混んでいなかったのか、晴人からすぐに返事が来た。
【了解。こっちは心配いらないから。とりあえず、美月ちゃん連れて帰れたし、安心だね。お疲れ様】