切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
質問には答えずフッと笑うと、彼女は「嘘〜!」と小さく声をあげて赤面する。
「覚えてないんだ?」
少し拗ねるように言えば、彼女は申し訳なさそうに謝った。
「……ごめんなさい。次はちゃんと覚えておきますから」
真面目な顔で俺を慰める彼女が可愛くてたまらない。
自分が何を言っているのかちゃんとわかっているのだろうか。
ククッと身を屈めて笑えば、美月が怪訝な顔をする。
「玲司さん?」
「愛し合ったってのは嘘だよ。でも、美月から誘ってくれるなんて嬉しいな」
美月を見てニヤリとすると、彼女は慌てた。
「え?あの?その……?」
「俺も愛し合うならちゃんと覚えておいて欲しい。だから、泥酔してる美月は抱かないよ。もう、外で酒は飲まないこと。俺が居酒屋に迎えに行かなかったら、どうなってたと思う?」
真剣に彼女に問えば、彼女は数秒考えて答えた。
「どこか道端で寝てた……かも?」
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