切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「それよりもっと悪いだろうな。男と一緒ならホテルに連れ込まれて襲われていたかもしれない」
彼女の同期のことを匂わせる。
「渡辺君はそんなことはしないと……」
あの男を信用しているのか、美月は間を置かずに否定した。
だが、その思い込みは危険だ。
「男はみんなオオカミなんだよ。状況よってはどんな紳士でもオオカミになる。覚えておくように」
諭すように言うが、彼女はまだ納得しないようで……。
「でも、玲司さんだって襲わなかったじゃないですか?」
反論する彼女の唇に指を当て、真摯な目で告げた。
「それは、美月が大事だから」
酔った彼女を抱いたって意味がない。
ベッドの中で少し説教をすると、いつものように一緒に朝食を食べて美月を会社に送り出す。
ソファに座って新聞を見ていたら、側のテーブルに置いておいたスマホが鳴った。
画面を見ると斗真からの着信。
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