切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「昨日、俺がどれだけハラハラしたかわかる?電話しても出なくて、居酒屋三軒探して、美月の姿見た時はホッとしたよ。泥酔してたけどね」
玲司さん、電話くれたんだ。
だけど、全然気づかなかった。多分、その時には酔っていたんだろうな。
「……ごめんなさい。ビール、断れなくて」
平謝りする私を彼は少し厳しい口調で注意する。
「美月は優しいから人に対して強く言えないことがあるよね。でも、昨日のような場合は、自分の身を守るためにもはっきり言って断らないと駄目だよ」
玲司さん、私の欠点よくわかってる。
私は人と気まずくなるのが嫌だから、きっぱり断れない。
痛い言葉だった。
「……はい」
落ち込む私を彼はギュッとその胸に抱き締め反転した。
「わかってくれたならいい。別に美月を責めてる訳じゃない。心配なだけ」
玲司さんは私の顔を見て、いつものようにニコッと微笑む。
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