切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
スモークサーモンのマリネ、サラダにオマール海老のトマトソースパスタ。
「ちょっとバタバタしてて時間なかったけど、美味しく出来たと思うよ」
にこやかに笑って、玲司さんが私の対面に座る。
「晴人さんは食べないんですか?」
カウンターにいる彼に声をかけたら、「今日は俺は給仕係」とフッと笑った。
玲司さんとふたりで頂きますをして食べる。
ホント、どこかの高級レストランの味。
それでいて優しい味がする。
全部完食すると、玲司さんが席を立つ。
「飲み物、カプチーノでいい?」
彼に聞かれ、「うん」と返事をする。
すると、彼は一度カウンターに戻り、カプチーノを淹れてテーブルに運んできた。
小さな男の子と女の子がキスしている絵が描かれていてとても可愛い。
「飾っておきたいな。飲むのが持ったいない」
そんな感想を口にすれば、玲司さんは少し寂しげに笑って言った。
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