切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
14、玲司さんの正体
「……月、美月、起きて。もう起きないと遅刻するよ」
玲司さんの声で目が覚めた。
「……ん、遅刻?」
まだ頭がボーッとしている私に、彼が「おはよ」と言ってチュッとキスをする。
それで、完全に目が覚めた私。
ニコニコ顔で私を見つめる玲司さんと目が合い、照れながら挨拶。
「おはよう。私……また寝ちゃったの……かな?」
ノワールにいたはずなのに、いつの間にかまた玲司さんとベッドで寝ている。
「昨夜食べたチョコレートタルトにブランデーが入って、それで酔ったみたいだな。ちょっと強めだったから、美月には効いたのかも」
タルトで酔うなんて、私、本当にお酒弱いんだ。
「玲司さん、ごめんなさい。また迷惑かけちゃ……!?」
俯いて謝る私の瞼に彼が口づける。
「敬語になってる。お仕置きだよ。それに、迷惑だなんて思ってない」
「……玲司さん」
じっと彼の顔を見つめたら、ツンと額を突かれた。
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