切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
なんで私の名前を知ってるの〜。
「時間がない。早く来い」
苛立たしげに言って常務は私の腕を掴んで立たさせると、足早に歩き出す。
「待って下さい。一体どこへ行くんですか!」
小走りでついていきながらそう問い掛けるが、常務はなにも答えてくれない。
立ち止まろうとしても、カツカツと靴音を響かせて歩く常務に引きずられるようにオフィスを出れば、出勤してきた渡辺君とすれ違った。
「え?松本……?」
私と常務を見て目が点になる渡辺君の前を通り過ぎ、常務は廊下の突き当りにあるミーティングルームに私を連れ込んだ。
バタンとドアが閉まり、常務が私に向き直る。
私を見るその目はなぜだか知らないが冷たかった。
この部屋に常務とふたりだけというのが落ち着かない。
私、仕事でなにかした?
でも、常務が関わる仕事はしていないはず。
じゃあ、また廊下走って転ぶのを見られた……とか?
「時間がない。早く来い」
苛立たしげに言って常務は私の腕を掴んで立たさせると、足早に歩き出す。
「待って下さい。一体どこへ行くんですか!」
小走りでついていきながらそう問い掛けるが、常務はなにも答えてくれない。
立ち止まろうとしても、カツカツと靴音を響かせて歩く常務に引きずられるようにオフィスを出れば、出勤してきた渡辺君とすれ違った。
「え?松本……?」
私と常務を見て目が点になる渡辺君の前を通り過ぎ、常務は廊下の突き当りにあるミーティングルームに私を連れ込んだ。
バタンとドアが閉まり、常務が私に向き直る。
私を見るその目はなぜだか知らないが冷たかった。
この部屋に常務とふたりだけというのが落ち着かない。
私、仕事でなにかした?
でも、常務が関わる仕事はしていないはず。
じゃあ、また廊下走って転ぶのを見られた……とか?