切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
玲司さんが常務のお兄さんで、うちの会社の専務?
しかも、玲司さんが跡を継ぐって……。
それに、私が大学までの費用を彼が出してくれていたなんて……。
全部本当なの?
……わからない。わからないよ。
トイレを出て総務に戻ろうとしたら、廊下に渡辺君がいて、彼に腕を掴まれた。
「ちょっと来い」
私の腕を掴んで非常階段の踊り場に連れて行く。
「……ちょっ……渡辺君?どうしたの?」
少しおどおどしながら問えば、彼は私をじっと見据えた。
「お前、常務に何言われた?」
「……渡辺君には関係ない」
「関係なくない。俺達同期だろ!それに、お前の彼氏ってうちの専務だよな?」
どうして玲司さんのこと知ってるの?
あ……そう言えば、私が泥酔した時に玲司さんが迎えに来たから、その時に玲司さんに会ったのか。
でも、専務だってどうして知ってるの?
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