切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
彼と話せば泣いてしまうかもしれない。
玲司さんのことは考えるな。
問題を先延ばしにしているのはわかっているが、現実に立ち向かう勇気が今の私にはない。
まずは母との用事を済ませて、じっくり落ち着いて考えよう。
また歩き出すが、突然前方から黒の大きなワンボックスカーがスピードを上げて接近してきて、私の手前で止まった。
ぶつからなくて良かった。
ホッと胸を撫で下ろすが、その車の後部座席のドアが開き、誰か男性が出てきて……。
あっ!と思った瞬間には、突然口を塞がれ、車の中に引きずり込まれた。
車内に見知った顔があって驚く。
矢島……。
「よお、久しぶりだな」
ニヤリと笑うその顔を見て、全身が凍った。
彼は後部座席の奥にいて、タバコを吸っていた。
「美月ごめんね」
助手席に母がいて、私の方を振り返る。
お母さん!
騙された。
私って……馬鹿だ。
「こ、これは誘拐だわ」
玲司さんのことは考えるな。
問題を先延ばしにしているのはわかっているが、現実に立ち向かう勇気が今の私にはない。
まずは母との用事を済ませて、じっくり落ち着いて考えよう。
また歩き出すが、突然前方から黒の大きなワンボックスカーがスピードを上げて接近してきて、私の手前で止まった。
ぶつからなくて良かった。
ホッと胸を撫で下ろすが、その車の後部座席のドアが開き、誰か男性が出てきて……。
あっ!と思った瞬間には、突然口を塞がれ、車の中に引きずり込まれた。
車内に見知った顔があって驚く。
矢島……。
「よお、久しぶりだな」
ニヤリと笑うその顔を見て、全身が凍った。
彼は後部座席の奥にいて、タバコを吸っていた。
「美月ごめんね」
助手席に母がいて、私の方を振り返る。
お母さん!
騙された。
私って……馬鹿だ。
「こ、これは誘拐だわ」