切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
2、訳ありな彼女
「あれ? 美月ちゃんスマホ忘れてったな」
彼女がいたテーブルを片付け始めた晴人が、スマホを持って困惑の表情を浮かべていた。
「俺が届けてくる。まだ近くにいるだろうから」
手を差し出して彼の手から美月ちゃんのスマホを受け取ると、すぐに走って彼女を追いかけた。
美月ちゃんはうちの可愛い常連さんで、俺も晴人も妹のように彼女を可愛がっている。
目立つタイプではないが、色白で目がくりっとしていて綺麗な子だ。それに、昔祖父が飼っていた猫に雰囲気が似ている。
美月ちゃんははにかみ屋さんで、目を合わせて俺と話をしてくれるまでに三ヶ月かかった。
ノワールは俺が慕っていた祖父が道楽で開いた店。小さい頃は学校が終わると家に帰らずノワールで夜遅くまで過ごした。
祖父は真田物産の創業者でもあり、今の社長は俺の父だ。
一応俺も真田物産で専務をしているが、毎月第一月曜日に行われる役員会議以外は基本的に会社に顔を出さない。
彼女がいたテーブルを片付け始めた晴人が、スマホを持って困惑の表情を浮かべていた。
「俺が届けてくる。まだ近くにいるだろうから」
手を差し出して彼の手から美月ちゃんのスマホを受け取ると、すぐに走って彼女を追いかけた。
美月ちゃんはうちの可愛い常連さんで、俺も晴人も妹のように彼女を可愛がっている。
目立つタイプではないが、色白で目がくりっとしていて綺麗な子だ。それに、昔祖父が飼っていた猫に雰囲気が似ている。
美月ちゃんははにかみ屋さんで、目を合わせて俺と話をしてくれるまでに三ヶ月かかった。
ノワールは俺が慕っていた祖父が道楽で開いた店。小さい頃は学校が終わると家に帰らずノワールで夜遅くまで過ごした。
祖父は真田物産の創業者でもあり、今の社長は俺の父だ。
一応俺も真田物産で専務をしているが、毎月第一月曜日に行われる役員会議以外は基本的に会社に顔を出さない。