切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
俺についてきた水嶋とアイコンタクトすると、「美月!」と叫んで彼と一緒にドアに体当たりする。
それでドアの蝶番が壊れ、蹴り倒して部屋に入れば、真っ赤なベッドの上で矢島が美月に襲いかかろうとしていた。
彼女は下着姿でベッドに横たわっている。
美月!
何も考えずに突進して矢島を蹴り上げた。
「うっ!」と声を出して、ベッドから転げ落ちる矢島。
ジャケットを脱いで美月の身体にかけると、矢島の背中を踏みつけた。
「俺は前に『彼女にはもう指一本触れるな』と警告したはずだ。それを忘れるなんて馬鹿だな、矢島」
「お前……!」
矢島は悔しそうに歯軋りし、身体を反転させて俺に襲いかかろうとしたが、足首を蹴って防いだ。
矢島は無様に床に仰向けになる。
そんなこいつの頭を踏みつけ、靴でグリグリした。
「痛たた!」と顔をしかめる矢島を憎らしげに見据える。
「お前は絶対に許さない」
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