切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「美月の様子を見て心配だったら明日の朝連絡する。今日はありがとう。助かった」
美月を玄関で下ろし、彼女の靴を脱がせる。
また抱き上げようとしたら、彼女が麻酔が切れてきたのか、「もう歩ける」とか細い声で言う。
ふらつきながら美月はバスルームの方へ歩いていく。
俺もその後をついて行き、彼女がバスルームに入るのを見届けると、寝室に着替えを取りに行った。
自分の部屋着を持ってバスルームに行くと、シャワーの音と同時に微かに美月のすすり泣きが聞こえる。
放ってはおけなくて、風呂場のドアを開けたら、美月が泣きながらスポンジで身体をゴシゴシと洗っていて、ところどころ血が出ていた。
「美月! そんなに擦ったら身体中血だらけになる」
シャワーを止め、美月の両手を掴んで止めれば、彼女は泣きじゃくった。
「だって……矢島に触られた。私……汚い」
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