切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
それには理由がある。
俺は父の愛人の息子。俺の下にもうひとり父には息子がいるのだが、正妻の子供で四つ下。俺が会社に頻繁に顔を出せば正妻がいい顔をしない。
ただでさえ六年前に他界した祖父の意向で専務になったことを恨まれているのだ。まだ弟が俺よりも役職が上ならいいのだが、弟は常務で、俺はいろいろとやりにくい立場にいる。
兄弟仲は悪くないが、正妻の相手をするのが面倒で真田家には仕事以外ではあまり関わらないことにしている。
それに、父も昔から俺のことを厄介者に思っているのだ。
弟の斗真が素直に会社を継ぐと言えば丸く収まるのにな。
だが、弟は義理立てして俺に将来の社長の座を譲ろうとする。俺にとっては迷惑な話だ。
一層のこと真田家と縁を切ろうかと思案していた時、美月ちゃんに出会った。
あの日は夕立があってうちの店先で彼女が雨宿りをしていて……。
雨にびしょ濡れの美月ちゃんを見てられなくて、店に招き入れた。
俺は父の愛人の息子。俺の下にもうひとり父には息子がいるのだが、正妻の子供で四つ下。俺が会社に頻繁に顔を出せば正妻がいい顔をしない。
ただでさえ六年前に他界した祖父の意向で専務になったことを恨まれているのだ。まだ弟が俺よりも役職が上ならいいのだが、弟は常務で、俺はいろいろとやりにくい立場にいる。
兄弟仲は悪くないが、正妻の相手をするのが面倒で真田家には仕事以外ではあまり関わらないことにしている。
それに、父も昔から俺のことを厄介者に思っているのだ。
弟の斗真が素直に会社を継ぐと言えば丸く収まるのにな。
だが、弟は義理立てして俺に将来の社長の座を譲ろうとする。俺にとっては迷惑な話だ。
一層のこと真田家と縁を切ろうかと思案していた時、美月ちゃんに出会った。
あの日は夕立があってうちの店先で彼女が雨宿りをしていて……。
雨にびしょ濡れの美月ちゃんを見てられなくて、店に招き入れた。