切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「下らない。社長の息子って言ったって、前にも言ったことあるけど、俺は愛人の息子だ」
「愛人の……息子?」
彼女は大きく目を見開いて俺を見る彼女に頷き、今度は穏やかに問いかけた。
「そう。出自で美月は人を判断する?」
「……しない」
彼女は俺の目を見て答えるが、その表情にはまだ迷いがあるように思えた。
「だろう? だったら、俺と一緒にいたってなんの問題もない」
優しく説き伏せると、彼女にそっと口づけた。
思いを込めてキスをすると、最初は躊躇っていた美月もそんな俺に応えようとギュッと抱きついてくる。
彼女の"好き"という思いも唇を通して伝わってきて、キスが深まり、もう自分を抑えられなくなった。
「美月を抱きたいけど、いい?」
ストレートに聞けば、彼女は俺の目を見て頷いて……。
この夜、俺達は初めて身体を重ねた。
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