切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「彼女の婚約者さ」
大嘘だが、そんなこと構ってられない。
美月ちゃんと親密なことを相手にわからせる必要があった。
矢島は美月ちゃんの家族構成を多分知っている。
兄と言ったら、すぐに『嘘』だとバレるだろう。
「お前が? 美月の?」
矢島はまじまじと俺を見るが、こいつに考える時間を与えてはいけない。
横にいる美月ちゃんはハラハラしながら俺を見ている。
すぐに彼女を連れてここから立ち去らなければ……。
美月ちゃんの手をしっかりと握り、彼に冷ややかに告げた。
「彼女にはもう指一本触れるな。でないと、警察を呼ぶ」
矢島はフンと鼻を鳴らして、この場を去る。
多分、警察を呼ばれるのが面倒だったのだろう。
彼の姿が見えなくなると、彼女が地面に座り込んだ。
「……怖かった」
そう小さく呟く美月ちゃんの身体はブルブル震えていた。
大嘘だが、そんなこと構ってられない。
美月ちゃんと親密なことを相手にわからせる必要があった。
矢島は美月ちゃんの家族構成を多分知っている。
兄と言ったら、すぐに『嘘』だとバレるだろう。
「お前が? 美月の?」
矢島はまじまじと俺を見るが、こいつに考える時間を与えてはいけない。
横にいる美月ちゃんはハラハラしながら俺を見ている。
すぐに彼女を連れてここから立ち去らなければ……。
美月ちゃんの手をしっかりと握り、彼に冷ややかに告げた。
「彼女にはもう指一本触れるな。でないと、警察を呼ぶ」
矢島はフンと鼻を鳴らして、この場を去る。
多分、警察を呼ばれるのが面倒だったのだろう。
彼の姿が見えなくなると、彼女が地面に座り込んだ。
「……怖かった」
そう小さく呟く美月ちゃんの身体はブルブル震えていた。