切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
今回、たまたま俺が彼女を追いかけたから事なきを得たが、そうじゃなかったらと思うとゾッとする。
しばらくひとりでいない方がいい。
通りでタクシーを拾って美月ちゃんと一緒に乗り込むと、どこか放心状態の彼女に目を向けた。
「美月ちゃん、寮って代々木だったよね?」
「……はい。あっ、あの……私すぐに降りますから」
急にハッとした表情になり、あたふたする彼女。
「ひとりでは危なくて帰せないよ。あれ、矢島だろう? 跡をつけられたらどうする?」
意地悪な質問だったかも知れない。
だが、彼女に自分がどんな状況にあるか認識してもらう必要があった。
美月ちゃんは、俺から視線を逸らし、自分の肩を抱いた。
きっと矢島のことを想像して怖くなったのだろう。
「すみません。代々木までお願いします」
運転手にそう告げると、タクシーは静かに発進した。
しばらくひとりでいない方がいい。
通りでタクシーを拾って美月ちゃんと一緒に乗り込むと、どこか放心状態の彼女に目を向けた。
「美月ちゃん、寮って代々木だったよね?」
「……はい。あっ、あの……私すぐに降りますから」
急にハッとした表情になり、あたふたする彼女。
「ひとりでは危なくて帰せないよ。あれ、矢島だろう? 跡をつけられたらどうする?」
意地悪な質問だったかも知れない。
だが、彼女に自分がどんな状況にあるか認識してもらう必要があった。
美月ちゃんは、俺から視線を逸らし、自分の肩を抱いた。
きっと矢島のことを想像して怖くなったのだろう。
「すみません。代々木までお願いします」
運転手にそう告げると、タクシーは静かに発進した。