切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
部屋の前で尻込みする美月ちゃん。
笑ってはいけないが、動揺しまくりで面白い。
前回連れて来た時は、矢島に襲われたショックでしばらく口も聞けなかったもんな。
今の彼女を見て少し安心した。
「そういうことになるね。でも、一度泊まったことがあるし、遠慮しなくていいよ。あっ、ひとつ確認するけど、今、美月ちゃん恋人いる?」
俺の質問に彼女はキョトンとした様子で答える。
「え? ……いえ、いまだかつていたことないですけど」
それならまあ、うちに住んでも問題はないな。
それにしても、いまだかつてって……美月ちゃん、そんな可愛いこと言ってたら悪いお兄さんに手篭めにされちゃうよ。つくづく心配になるが、そんな彼女を弄りたくなる、俺は悪い男。
「あと、ひとつ訂正しておくけど、泊まるんじゃなくて、しばらく一緒に住んでもらうから」
にこやかにそう告げれば、彼女は悲鳴に近い声をあげた。
「ええ~!」
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